アイドルイオたん2


部屋はさほど広くもないダブルルームだった。
ガチャンと重い音で扉が閉まると、狭い室内にふたりきりだ。
「思ったより…質素なんだ」
つい声に出してしまった呟きに、思わず手で口を押えたが、もう遅い。
「寝るだけだからな。これで十分だ。まあ座れ」
相手は特に気にしている様子でもない事が、幸いだった。
ルヴァイドは扉の近くのクローゼットにコートを掛けて、冷蔵庫からビールとスポーツドリンクを取り出した。
「これしかないが…」
そう言いながら、スポーツドリンクをイオスに手渡した。
「気を使わないで下さい、安全そうならすぐ行きますから…」
この人はスキャンダルとか気にしないのだろうか…
荷物を脇に置いてコートを脱ぎ、壁に向かったテーブルの前に置かれた、椅子に腰かけた。コートの下に着ていた安物のジャケットは色が褪 せていて、ジーンズよりも薄い色をしている。目の前には鏡があって、脇にテレビがあり、真っ暗な画面が静かで心細く感じた。机上にはコ ードが外れたドライヤーに、本や雑誌も散らばっていた。
室内を見まわしてみる。何日か泊まっているのだろうか、大きなカバンが置かれていて、床には布の袋が立てかけてあった。入り口脇の扉は 、多分ユニットバスだろう。ベッドはダブルの中でも大きい方に思える。
「…あの怪しい男に心当たりは?」
ルヴァイドは問いかけながら、缶ビールを開けて窓の脇の丸いテーブルに置き、椅子に座り一口飲んだ。椅子はこの二つだけだ。
「あ、え…と…あると言えばあるのですが…」
本物の俳優を前にして、地下アイドルだと言うのはかなり気が引けた。
「あるのだな?」
何とか濁したかったが、こうハッキリ聞かれて答えないのも難しい。
「…その、ファン…と言いますか…。僕、地下アイドル…というのを、仲間とやっていまして…」
「ふむ、なるほど。アイドルか。すまんな、俺は詳しくないからお前の事は解らぬが、確かに可愛らしいな。」
地下アイドルが何なのかは、やはり解っていないらしい。それ以上に可愛いと言われたことに、驚いてしまう。
「いえ、メジャーデビューはしてないのでっっ!可愛いなんて…ルヴァイドさんは本物の女優さんもアイドルも見慣れてるじゃないですか!
!」
恥ずかしさに、顏を隠すように両手を前に出した。
「そうか?俺が見た中で、お前が一番可愛い。」
「いや、そんな…」
そんな褒め方をされても、どう返事していいのか解らない。今まで可愛いと言われてもさほど嬉しくはなかったのだが、誰もが知っているよ
うな有名人に、正面からハッキリと告げられると、悪い気はしないし照れてしまう。
「証明しようか」
「証…明…?」
そう言って缶ビールを数口飲んで、立ち上がり近づいてくる。
一歩進む度に心臓の音が大きくなる。
「あ、あの…?」
イオスが座っている椅子の背に手を置いて、テレビで見慣れた顔が近づいてくる。
「ルヴァイド…さ」
唐突にキスをされて、反射的に目を閉じた。
すぐに唇は離れたが、すぐ近くに気配があるままだ。
うっすらと瞳を開いてみると、鼻先が触れるほど近くから覗き込む眼差しは、ドラマなどで見た鋭い眼光からは想像出来ないほど優しいもの
だった。
「可愛いから、何度でもキスしたくなる。…いやか?」
「え、そんな…!嫌などとは…!」
「ではいいな?」
そんな問題ではないのだけど…!
どうやってこの状況から抜け出せるか解らないで焦る内に、またあの口づけが訪れる。舌が絡んで、口内から犯されていくような、扇情的な 口付け。
「…ん、や…っ」
椅子に押し付けられて、身動きが取れない。ピチャピチャという水音が、静かな室内に響いていた。
引き剥がそうと思っても、自分より一回りも大きな体はビクともしない。ゾクゾクした熱が掌にも伝わって、うまく力も出せない。
「ん…んふ…っ」
自分のものだとは到底思えないような甘い吐息が、口付けの合間に零れた。
「…目を開けてみろ」
「は…」
唇が離れると、顎を手で押さえて正面を向かされる。
目の前の鏡には、頬を紅潮させ、だらしなく口端から唾液を流して、瞳を潤ませる自分が映っていた。
「やだ、恥ずかしいです…!」
顔を反らしたいのに、強い力で阻まれてしまう。
「そうだな、キスだけでこんなに感じてしまっては…恥ずかしいな?」
耳元で笑う様な声に、消え入りたい気持ちになった。
「も、もう部屋へ戻り…っ」
言い終わる前に耳を甘噛みされて、思わず息を飲む。耳朶を湿った舌が撫でて、耳の中にまで入り込んでくる。
「あっ…、ひゃう…!」
くすぐったいような刺激に、体が震えた。気を取られている内にジャケットのファスナーが開けられ、トレーナーが首元までたくし上げられ
てしまう。薄い胸に二つの飾りが、鏡に姿を現せた。
「白い肌だな…。ほら、ここも可愛い」
感嘆したように囁き、大きな掌が椅子の後ろからまわされ、胸を覆った。感触を確かめるように触れながらゆっくりと移動し、親指と人差し
指で乳首を抓んで、ぎゅっと引っ張る。
「は、あ…っ、や、いや…、あん!」
「そのような声を出して…。イヤではないだろう…?」
親指で乳首を擦り、人差し指でカリカリと爪を立てたり、中指で押しつぶしたりと、お気に入りの玩具を見つけた子供のように、執拗に乳房
を弄び続けた。
「…あ、あ…ふっ…」
声が漏れるのが恥ずかしくて、手で口をおさえるが、気休め程度にしかならない。こんなに近くにいては、小さな吐息さえも聞かれてしまう
だろう。与えられるまま感じてしまう、浅ましい体が恨めしかった。
ようやく片手が胸から離れると、今度はそのまま更に下へと伸ばされていく。
男の手は迷うことなくズボンのファスナーを下した。
「あっ、ま、待ってください…っ」
必死の懇願もむなしく、下着の内に手を滑り込ませて、固い五指がイオス自身を探り当てた。
「…あ、そんな…!やめて…!」
空気に晒されたソレは既に濡れていて、キスや胸を触られただけでどれだけ感じてしまっていたのか、充分に示していた。
残された手は、そのまま胸の突起を指の内に転がし、たまに強く弾いて反応を楽しんでいる。
「いけない子だな…。こんなにして…」
「る、ルヴァイドさん…」
縋るように見上げる。視線の先には、満足気に見つめる男の姿。
「下着も少し濡れたな?脱いでしまおうか」
「や、やめ…」
手早く膝までズボンが降ろされた後、ふくらはぎを持ち上げて強引に脱がされる。椅子から落ちないように、椅子を掴むのに精一杯にしてい る間に、すっかり下半身から衣服を剥がされてしまった。そして上げた両足をそのまま広げて机に置いて、自身を鏡の前に曝け出すような恰 好にさせられた。
「こんな…、許して…っ」
涙目で訴えるものの聞き入れられず、ルヴァイドは右手で足の間で誇張するモノをきゅっと握り、左手で支えるように腹部に触れた。
敏感な場所に熱い掌が触れて、息を呑んで肩を竦める。
「そういえば、まだ名を聞いていなかったな。何と言う?」
「い…イオス、です…」
掌の中で固くなるモノを扱きながら、まるで普通に話しかけられて、荒くなってしまう息を殺しながら答えるしかなかった。
「ああん!」
先端に爪を立てられ、体に電流が流れるような衝撃を感じた。思わず足を閉じようとするが、男がそれを許さない。
「しっかり足を開け。お前の可愛い所を、全部見せろ…イオス」
「……っあ…」
低い声で名前を呼ばれると、今まで以上に体が敏感に反応してしまった。
ビクビクと震えてしまうのを鏡越しに眺めながら、イオスのソレを揉み、手を上下に動かして快感を引き出していく。小さな体がイきそうになる度に強く握って遮り、少し収まるとまた愛撫を開始する。生理的な涙が、目じりからこぼれた。
イオスは男が与える刺激のままに、ただ感じて反応を示し、望む声を聞かせ続けるしかなかった。
「は、…んぁ!おねが…もう…イ…きた…っ」
耐えきれずに途切れ途切れにされた懇願は、男の征服欲を刺激するだけだった。
「…ではイオス、両手で自分の胸を弄ってみろ」
「あ…」
優しい声で告げれた意地の悪い命令。人前で、しかも鏡の前でそんなことをすれば、相手からも自分からも見えてしまう。
恥ずかしい以上に、早く開放されたくて、イオスはゆっくりと両手を胸に近づけ、人差し指で先ほどまで散々嬲られた乳房に触れてみる。
「……っ」
「いい子だ。こっちも、慰めてやろうな…」
「あふっ…」
息が耳にかかるのが、じれったい程心地いい。こっちとはどこの事だろうと不思議に思っていると、太ももの間に手が滑り込んできた。それはそのまま、隠された場所を探り出す。
「…な、に…?ひゃ…!」
双丘の窄まりに届くと、クニクニと押しながら撫で、不安に揺れる細い姿態に節くれだった指が押し込まれる。
「や、あん、入って…くる!?」
「お前もちゃんと手を動かせ?」
第一関節、第二関節と、内部を確かめるように進み、続けて少し引いては奥を求めてみたり、周りの壁をぐるりと刺激してみたり…
初めての感覚に、頭の中が焼けるようだった。
鏡に全てを曝け出させる恥辱が、快感に混じってより昂ってしまう。張り詰めて爆発しそうな欲情が、イオスの中で渦巻いていた。
早く解放されたくて、自身の手はルヴァイドに命令されたとおりに乳首を抓り、押しつぶしてコリコリした感触を確かめる。
その間もイオス自身と内部への愛撫は続けられ、理性など失われてしまいそうだった。
「…る、ルヴァイドさ…ぁ!」
張り詰めた欲望を親指と人差し指でギュッと締めたまま、残りの指を使い、悪戯でもするように触れたり擦ったりしている。
後ろを攻め立てる指は二本に増やされ、それも付け根までしっかりと咥え込んでいた。
耐え切れずに首を振り、スーツの腕を掴んだ。柔らかい布の感触。愛撫しているモノから溢れた液が手の甲を伝って、服の袖口を汚している 。
「あ…の、服、汚れ…ちゃう…っ」
荒い息の間で何とか告げる。一瞬イオスを苛む動きが止まり、内部を探索していた指が抜かれ、前を戒めていた手も解かれた。
「ふぁ…っ」
ルヴァイドが離れてから、イオスは机に投げ出された足を床に降ろした。ピリピリと痺れるような感覚があった。

 
 中断したところでいったん終わります!
 助けてあげると言いつつ連れ込みえっち! 
あると思います! 
可愛い子には気持ちよくさせろ!ごー!